サウススウエルがやってくるとたくさんの人が1週間前くらいから楽しみにしていたものの、マウイは本当にサウススウエルに弱い。オアフにはしっかり4ftくらい来てるらしいけどこっちはさっぱり。風が完全にトレードが戻ってきた。ノースは波が落ちて風だけ。
もちろんツインチップでのカイト、ダウンウインドパドルなどやれることはいくらでもあるんだけど、昨日今日の二日続けて海はお預け、やれること、やりたいことじゃなく、やるべきこと、やらなくてはならないことを優先した。
おかげでいろいろはかどってすっきり。二日海に入ってないので明日は絶対何かしらやろうと思う。
ところで3日ほどまでタルキートナ(マッキンレー登山の基地となる小さくて雰囲気のある町)でマウンテンガイドのマネージャーをしているロブからスカイプで去年遭難した日本人が見つかったと連絡があった。彼らは日本でも山岳界では有名らしいのだが、私がパタゴニアでいつもお世話になってる鈴木君の仲良しで、去年も鈴木君は彼らと一緒にアラスカにいた、(先に帰国した後の事故だった)
ぶっきらぼうでめったに人のことを褒めないロブが彼らの登っているルートややろうとしていることを、ものすごいやばいことだけど画期的なことをやっててすごく実力のある凄い奴らだと絶賛してたのを覚えている。昔はアジア系のクライマーはイケイケが多く危ないって言う評判があり、オリエントエクスプレスなんて名前の場所まであるくらいだけど、それを聞いて同じ日本人としてとっても誇らしかったのを覚えている。
忙しそうで詳しいことは聞けなかったけれど、ほかの遭難者を上空から探しているときにたまたま見つかったらしい。それほど難しい場所ではなく、おそらくものすごい風で吹き飛ばされたか何かだったのだろう、二人ロープでつながったままだそうだ。
今鈴木君は親友と一緒に再びアラスカに3ヶ月ほど行ってるはず(そういう休暇が取れるパタゴニアってすごいと思う)、なんだか彼らのトレースをたどるような意味合いもあるのかもしれないな、と思ったりもするが、それにしてもちょうど彼らが来ているときに見つかるなんて、「おーい、せっかくだから俺たちも日本につれて帰ってくれよ!」って二人が出てきたような、そんな気持ちにさせる。山は怖い、でもそれでもそれだけ人をひきつけるすばらしい魅力があり、それを追い続けている人たちを私は無謀とは思わない、純粋な目的で(自分のため、名声や外的な地位でなく内的な成長のため)である限り、本当にすばらしい生き方だと思う。
昔アラスカに夢中になっていたころ母親に心配され、嫌がられていたけどそれでも止めようとしない私に。あきらめて『とにかく何があっても体だけはみつかるようにしてくれ、そうしないとみつかるまでありったけの財産を使っても探しちゃうから」といわれたのを覚えている。この言葉は忘れないだろう。どんなに望みがないとわかっていても遺体が出てこないかぎり親心にどこかで希望を抱いてしまうのだろう。そういう意味では彼らが見つかったことでしっかりお別れが出来る家族や友人たちも大いに違いない、あらためて心から冥福をお祈りいたします。
(写真はイメージ画像で本人たちではありませんが、彼らの登っていたカシスリッジ周辺)
以前もともちゃんのお母さんのその発言を呼んで、涙が出たんだけど、ヤバイ、今日も泣けてきた。母の愛ってすごいね。遭難された方、そのご家族に安らぎが来ますように。 Kana
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